第30回日本緩和医療学会学術大会
大会長 田村 恵子
(大阪歯科大学 教授)
第30回日本緩和医療学会学術大会
大会長 田村 恵子
(大阪歯科大学 教授)
このたび、記念すべき第30回日本緩和医療学会学術大会を2025年7月4日(金)~5日(土)に、福岡国際会議場・マリンメッセ福岡A館・マリンメッセ福岡B館において開催する運びとなりました。大会長を拝命いたしました大阪歯科大学の 田村 恵子です。
当学会は1996年の設立以来、学際的な学術研究を推進し、緩和医療の発展に尽力してまいりました。がんやその他の重篤な疾患を持つ人々の生活の質を向上させ、社会貢献することを目指し、教育研究活動やエビデンスに基づく臨床実践を通じて活動しています。特に、がん対策基本法の施行以降は、診断時からの緩和ケアの普及をはじめとして、日本の緩和医療を牽引してきました。会員は医師、看護師、薬剤師、心理職、医療ソーシャルワーカー、リハビリテーション専門職など多職種で構成され、年次大会には毎年7,000名 を超える参加者が集っております。
今回の大会テーマは「緩和医療-生老病死を慈しむ」といたしました。緩和医療はがんをはじめとするすべての重篤な疾患を持つ人々に対して、「生老病死」すべての時期に必要とされており、全人的アプローチの拡充が期待されています。しかし、急速な高齢化に伴う慢性疾患の増加や、核家族化や独居世帯の増加といった社会構造の変化がもたらす課題に対応するには、疾患に対する医学的アプローチだけでは十分な緩和医療とはいえません。第30回を迎える本大会では、これまでの歩みを土台にして、緩和医療の意義を再確認します。「生老病死」の四つの苦しみを慈しみの心で理解し、緩和することにより、人生のあらゆる段階にある個人のウェルビーイングと尊厳を促進することを目指します。次世代の緩和医療について活発な議論ができる大会にしたいと考えております。また、現地開催を基本としつつ、デジタル技術の恩恵を最大限に活用することで、学術集会の場を広げ、会場に参加できない方々にも効果的にコンテンツを提供します。
現在、大会長をはじめ大会関係者が総力をあげて大会を盛り上げるべく準備を進めております。皆様と2025年7月に福岡でお会いできる日を楽しみにしております。